賃貸にせよ購入にせよ、人生の中で関わることが機会がある不動産取引。
しかし家の購入なんて一生に一度の買い物と言われるくらいですし、消費者側の私たちは不動産業者に比べて、知識が圧倒的に乏しいですよね。
そんな、不動産取引について、消費者側が知らない不動産業者側の裏事情を暴露する漫画が「正直不動産」です。
後から知りましたが、原案はクロサギの原案者でもある夏原武(なつはらたけし)氏ということで、納得の面白さです。
試し読みのつもりが、面白くて全巻まとめ買いしてしまいました。
正直不動産の魅力
設定が面白い
不動産業界の闇を曝け出す皮肉喜劇!!
営業に必要なこと以外、客に見せも教えもしないーー
正直不動産 紹介文より
そんな不動産業界に前代未聞の爆弾が、いま炸裂する!!
登坂不動産のエース営業マン・永瀬財地は
嘘を厭わぬ口八丁で売り上げNO.1を叩き出す凄腕だった。
だが、とある地鎮祭で石碑を壊して以来、
嘘が上手くつけなくなってしまった…!!
千三つと言われる海千山千の不動産業界で
かつての成績が一気に低下する中、
永瀬は、嘘が上手くつけない正直営業で苦戦するが…!?
不動産屋の裏側を全部ぶっちゃけちゃうニュー・ヒーロー、誕生。
元々は、嘘(聞かれていないことは答えない・良いことしか言わない)だらけの営業でトップセールスを誇っていた営業マンが、嘘を付けなくなってしまいます。
嘘がつけなくなってからは正直な営業を行う中で、顧客に感謝されるようになっていき主人公の考え方も変わっていきます。
周囲の営業マンが消費者目線では悪人のように描かれているので、読者視点では主人公の永瀬は、正義のヒーローのように見えます。
話が勧善懲悪なので安心して読める
基本的な話の流れは、
①無知な顧客が騙されそうになる
②嘘がつけない主人公が不動産屋の嘘を暴露してしまう。
③騙されかけてた顧客のハッピーエンド
という勧善懲悪な形式なので安心して読めます笑
勧善懲悪の作品って人気が出やすいですよね。(大ヒットした半沢直樹とか)
正直不動産もそのうちドラマ化するような気がします。
読みながら不動産売買についての知識が身につく
顧客が悪どい不動産業者に騙される(不必要なお金を顧客が払わされるorされそうになる)→それに気づいた嘘のつけなくなった主人公がネタバレする。
というストーリー構成なので、その過程で不動産屋が隠す都合の悪いことが明らかになります。
不動産屋は、法律で義務化されていないことで聞かれなければ答えないというスタンスですので、こうした不動産業にかかわる人なら知っていることを漫画で学べるのは非常に良いと思います。
例えばハーザードマップで、危険地域になっている土地だったとしても、その土地を売りたい不動産屋からその事実を伝えてくることはまずないでしょう。(言ったら売れなくなる可能性が高いため)
不動産トラブルに関わる時事ネタも積極的に取り上げている。
実際に世間を騒がせた、サブリース問題(かぼちゃの馬車事件)や地面師事件(積水ハウス)などの時事ネタも取り入れており面白いです。
巻末のコラムもためになる
巻末のコラムでは、漫画の中で登場した事件や、不動産業者の悪どい手口についての解説も行なっています。
また、不動産業界が構造的にこのように消費者ファーストではない姿勢になってしまう理由などについても語られていて参考になります。
まとめ
不動産市場は、他の商品の売買と比べて、買い手と売り手の間に情報の非対称性が強く存在しています。
なのに不動産に関わる費用は金額が大きく、人生に大きな影響を与えてしまうこともあります。
昔に比べ消費者保護は進んでいますが、悪どい不動産業者に騙されないためには、我々消費者側も賢くなる必要があると思います。
そのはじめの一歩として、漫画を楽しみながら不動産の取引の罠を学べる正直不動産はおすすめできます!
巻末コラムによると、正直不動産は不動産業会に関わる人の間では、ちょっと有名になっているそうです。
なので「正直不動産を読んでいます。」と伝えることで、不動産営業も全く知識がない人ではないと判断するのでおすすめだと記載されていました笑
*イメージ
正直不動産って本読んでるんですけど、読んだことありますか?面白いですよね。あんなこと実際にあるんですか?
このお客は多少知識があるんだな・・・
それではまた!