家電を購入すると当たり前のようにおすすめされる延長保証ですが、加入されている方も多いのではないでしょうか。
ですが家電の延長保証は、基本的には加入すべきではありません。
この記事ではその理由について述べています。
1.延長保証は割の悪い保険
ほとんどの場合メーカー保証で十分
多くの家電製品には、購入日から1年程度のメーカー保証がついていますが、ほとんどの場合、このメーカー保証だけで十分です。
というのも工業製品の故障の多くは使い始めて1年間の間に発生します。
そして使用開始して1年間故障しなかった工業製品は、寿命を迎えるまでの故障率は低くなります。
つまり初期不良が無ければ寿命を迎えるまでなかなか壊れないということです。
つまり延長保証はなかなか壊れない期間に対する保険ですので、非常に割が悪い保険だと言えます。
このことはバスタブ曲線(故障率曲線)と呼ばれており厚生労働省のHPでも紹介されています。
バスタブ曲線(故障率曲線)とは、時間が経過することによって起こってくる機械や装置の故障の割合の変化をしめすグラフのうち、その形が浴槽の形に似ている曲線のことです。
機械・装置の機器の使用開始直後は、製造上の欠陥によって初期故障が発生する可能性がありますが、時間とともにこれらの故障は取り除かれます。これを初期故障期といいます。一般に約1年間とされています。製造欠陥による故障は時間と共に減衰しますが、軽微な欠陥は依然として残りますので偶発的に故障が発生します。これを偶発故障期といいます。一定期間経過後は、構成要素の劣化が始まるために、故障率が時間とともに増加します。これを摩耗故障期といいます。
職場のあんぜんサイト:バスタブ曲線(故障率曲線)[安全衛生キーワード] (mhlw.go.jp)
そもそも家電に保険を掛けるべきではない
保険は万が一発生したときに、人生が破綻するようなケースに備えて加入すべきものであり、壊れても買い直せば済むような家電には必要ないものです。
扶養家族がいる場合の生命保険、事故時の賠償に備えた自動車の任意保険、自宅の火災保険などは、加入していないと万が一の場合人生を大きく左右してしまうので加入する価値があります。
2.延長保証は誰のために存在するのか
既に説明した通り、合理的に考えれば顧客にとって延長保証は不要です。
では延長保証は誰のために存在するのでしょうか?
延長保証はお店にとっては高利益の商品
家電量販店などの小売店はメーカーから商品を仕入れて販売している且つ、競合他社との値引き合戦があるので一般的に利益率が低いです。
一方で延長保証は仕入れが無く、価格設定も小売店が行えるので利益率が非常に高い商品です。
従ってお客に対し販売員が積極的に延長保証サービスを進めるのは、お客のためではなくお店の利益のためです。
延長保証サービス獲得数のノルマを課している販売店も多いそうです。
もちろん顧客に対する不安に応えているけれども
勿論延長保証サービスというのは顧客の故障への不安というニーズに応えることができているので成立しています。
ですが、見方を変えれば顧客の不安に付け込んでいるとも言えます。
延長保証サービスの加入を提案されることが、故障への不安を感じるきっかけになると思いませんか?
延長保証に入らず故障に備えて積み立てする
とはいえ延長保証に入っておかないと、万が一故障した時の出費に不安を感じる方もいるかとおもいます。
そういった方にお勧めしたいのは、延長保証に加入するお金と同額を将来の故障に備えた貯金として積み立てておく方法です。
例えば延長保証料が購入価格の5%だとして、テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などすべての家電に延長保証を付けていたら、延長保証代だけで数万円かかります。
なので私はその数万円を延長保証として払う代わりに修理代名目で貯金しておきます。
買い替えまでに故障しなければ、貯金は丸々残りますし、万が一故障して修理代がかかったとしても、修理代名目の貯金からの支払いであれば心理的負担も少ないはずです。
私は社会人になってから人より多くの家電を購入していますが、初期不良を除いて、普通に使用していた家電が壊れた経験がありません。
なので修理代名目の貯金は右肩上がりで増えています。
もし何も考えずに延長保証に加入していたらこのお金は無くなっていたと考えると恐ろしいです…。
まとめ
この記事での私の主張をまとめると以下の通りです。
- 延長保証は割の悪い保険なので合理的に考えると不要
- 延長保証はお店の利益のために存在する
- 不安に対しては貯金で対応するべき
この記事が参考になれば嬉しいです!
それではまた。