政府が企業に対して賃上げを要請する官製春闘という言葉が現れてから5年目になります。
政府主導で企業に賃上げを要請するのは間違っているという声もありますが、そもそもバブル崩壊後の春闘なんて形だけで、ベースアップ?なにそれ?状態だったので賃金を受け取る側からすれば、現状の方が良いことはいうまでもありません。
ついに今年は経団連の会長が3%の賃上げを今年の春闘の方針として打ち出したそうで春闘って何だっけ?という状態ですが、賃金が上がるのであれば我々庶民としては嬉しい限りです。
なお、経団連に所属している企業は2017年11月28日時点で1,360社あるそうです。
会員一覧 | 経団連について | 一般社団法人 日本経済団体連合会 / Keidanren
前置きが長くなりましたが、3%の賃上げが生活にどのようなインパクトを与えるのかイメージが沸かないので計算してみました!
①モデルケース設定
今回は簡便化のため、30歳、年収420万円(月収30万円 賞与2か月分60万円)、扶養家族無しの場合を想定しました。
尚、モデルケースを設定するにあたっては下記を参考にしました。
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は 422 万円(対前年比 0.3% 増)であり、これを男女別にみると、男性 521 万円(同 0.1%増)、女性 280 万円
1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は 46.0 歳
②3%の賃上げの影響額
単純に420万円 に対して3%を乗じると12.6万円の給与増となります。
月額にすると9,000円(賞与除く)と決して小さな金額ではありませんが、月給が9,000円 増えたから消費を増やそう!というマインドになるかというと極めて微妙ではないでしょうか?
③3%の賃上げに容赦なくかかる各種負担
②で計算した9,000円/月の給与増ですが、この金額はあくまで支給額であって手取りではありません。
ここから各種社会保険料と所得税、住民税といった各種税金が控除された金額が手取りとなります。
下記の通り簡便的※に計算して見ました。
すると手取りは6,545円まで減少してしまうことが分かりました。

※実際には社会保険料は標準報酬月額に対して、保険料率を乗じて算出します。
④ 社会保険料が高すぎる。
③の結果から厚生年金と健康保険料が非常に高いことが分かります。
今回のモデルケースの場合、税金よりも社会保険料の負担の方が重いことが分かりますね。
また、普段給料をもらっている側は意識していないと思いますが、この社会保険料については企業側も同じ金額だけ負担しているので、企業が賃上げを渋る大きな原因になっています。
⑤まとめ
3%の賃上げが生活に与える影響は、大多数の人にとってあまり大きくないかもしれません。もちろん賃金が上がることは良いことでガンガンあげて欲しいと思います。
しかし、今年の9月で、厚生年金の負担率の上昇は一旦ストップしましたが、少子高齢化の時代ですので社会保険料のさらなる負担増は避けられないでしょう。
給与所得者(サラリーマン)ができる対策については、次の記事で述べたいと思います。
※次の記事を更新しました。