本日は保有銘柄の一つであるセブン銀行について分析したいと思います。
個人的には銀行ATMよりセブン銀行ATMの方が使いやすいので好きなのもあり応援する意味も込めてセブン銀行の株式を保有しています。
事業内容
決算短信を分析すると売上は下図の通り売上の92%がATM関連の事業です。
平成30年第3四半期決算短信より作成
92%を日本と海外で分けると85%と7%です。
このグラフから国内ATM事業が収益のほとんどを占めていることが見て取れます。
次にこれらの事業をより詳しく見て行きたいと思います。
IR資料によるとセブン銀行の事業は以下の3つのセグメントで構成されています。
⑴ATMプラットフォーム事業(日本)
⑵決済口座事業
⑶海外事業
事業内容説明
⑴ATMプラットフォーム事業
セブン銀行ATMを通じた手数料収入を中心とした事業です。
上述の通りセブン銀行のメイン業務となります。
⑵決済口座事業
決済口座事業は主に下記の4つを指すようです。
①個人向けのカードローン
②海外送金サービス
③デビットカード
④売上金入金サービス
②海外送金は、従来の金融機関と比べ手数料が安いことが強みです。
特に中国・フィリピン向けの送金に強く外国籍の労働者を中心に取引件数を順調に増やしています。
④売上金入金サービスは、法人向けのサービスです。
端的に言えば銀行の夜間金庫の代替サービスです。
セブンイレブンの売上は毎日セブン銀行に入金することで、セブンイレブン本部に送金していることは有名かと思いますが、同様のサービスをセブンイレブン以外の法人に対しても提供することで手数料収益を得ています。
コンビニが24時間営業している強みを活かしたユニークなサービスだと思います。
⑶海外事業
海外事業とありますが、現状はほぼ全てアメリカでの事業です。
2017年8月から、アメリカ内のセブンイレブンの店舗内に急速にATMの設置を進めており、今後の伸びが期待されます。(現状は赤字)
直近の業績
セブン銀行の直近の業績は下図の通りです。
毎年増収増益傾向にありますが、国内市場の飽和に伴い営業利益率が下がってきていることがわかります。
ATMの維持・運営にかかる固定費は利用者数が増えてもあまり変わりません。
よって同社のビジネスは限界利益が大きい手数料ビジネスですと言えます。
営業利益の低下要因としては、利用者の多い好立地の場所から順にATMを設置していたのが、田舎の店舗など利用者数が少ない店舗にも設置を進めていることによるATM一台あたりの稼働率が低下していることが大きいと思います。
国内ATM事業を中心としたビジネスモデルは成熟期を迎えつつあり、新規ビジネスが成功しない限り成長余地はあまりなさそうです。
それを受けて2018年4月現在株価の上値も重い状況が続いています。
中期計画
セブン銀行が発表している2017年〜2019年の3年間注中期計画は下記の通りです。
ATMプラットフォーム事業を安定した収益源としつつ、海外事業、決済事業の拡大に注力するという方針です。
特に海外事業に関しては、米国のセブンイレブン内にATMを導入を進めており、うまくいけば有力な収益柱になる可能性を秘めています。
配当について
出典:セブン銀行IR資料より
同社は配当性向を最低40%に設定しており、株主還元に注力している会社と言えます。
手数料商売ですので、業績が急激に悪化する心配が比較的少なく今後も安定した配当金を期待できると思われます。
同社の強み
セブン&アイグループに所属していることが大きな強みだと思います。
同社は日本でトップシェアを誇るセブンイレブン20,000店舗内を中心にATMを設置しています。
セブンイレブンは都市部では駅中や駅前など好立地には必ず存在するといっても過言ではなく、そうした好立地にATMを設置できていることで高い利便性を誇っています。
リスク
キャッシュレス化による現金需要の低迷が最も大きいと思います。
経済産業省もキャッシュレス化を推進するなど報道が出ており、現金需要がこの先減っていくことは間違いありません。
しかし、一部の地銀はATMの維持管理をアウトソーシングすることを始めており、大量のATMを効率的に運用するノウハウを持つセブン銀行が残存者利益を得られる可能性は高いのではないかと考えています。
また同社が力を入れている海外送金についても仮想通貨をはじめとする技術革新により手数料面での優位性を失う可能性はあるかもしれません。
まとめ
以上、セブン銀行について分析してみました。
日本におけるキャッシュレス化の進展が懸念材料ではありますが、キャッシュレス派の私ですらセブン銀行は利用していることからみてもATMの需要はなかなかなくならないのではないかと個人的には考えています。
よって私は保有を継続したいと思っています。
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